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なのフェイなの なネタ投稿部屋。
Posted by - 2024.11.24,Sun
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Posted by リー - 2010.07.11,Sun

昨日の話はどうなったのかは更新の後に拍手返信と一緒にお話しますね。

とりあえず更新っ!御主人様と奴隷ネタです。
文章が無駄に長くなったので、二分割にしようと思います。まずは前編。
このネタが終わったらぶっちゃけ連載となのは会長ネタに集中します。あと健全なネタを用意しておきます。

では、続きからどうぞ。

 

 

雪国に近かった自分の故郷。唯一の港で彼女と向かい合う。
彼女は、今日でここを離れ、海の向こうにある都の家に養子として引き取られ暮らす事となっていた。
もう、会えないかもしれない。そう思うと何だか寂しくて、繋いでいた手を強く握ると、彼女は不思議そうに首を傾げる。


「どうかした?」
「ううん…。離れ離れで、会えなくなっちゃうのかな、って思ったら…ちょっと寂しいなって」


そんな自分を見て、彼女は優しく微笑むと、握った手に力を込めてくれた。そして、空いた手で頬をそっと撫でる。


「きっとまた、会えるよ。だって、身体は離れていても、心はきっと繋がっているから。そうでしょ?なのは」


その言葉に、何度も頷く。頬を伝う涙を彼女がそっと拭ってくれる。すると後ろから、彼女の義母となる女性が彼女を呼んだ。
もう、別れの時間なのだ。握っていた手を離すと、彼女は船へと乗った。それから間もなくして船が動き出す。

遠ざかっていく船が消えるまで、ずっと手を振り続けた。

 


* * *

 


目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。慌てて飛び起きて時刻を確認すると、まだ仕事が始まるまでは時間があった。
もう一度寝ようかとも考えたが、寝坊するのも嫌だし、何より睡魔が来ないので、少々早いが着替えて準備をする事にした。

フェイトから与えられた仕事は抱かれる事以外にもいくつかあり、この朝食の準備も、その一つだ。
広いキッチンに入ると、まだ薄暗いせいか少し肌寒い。まるで故郷のようだ、と思う。アリサとすずか、そしてフェイト。四人で楽しく過ごしていた故郷での生活。
あの頃は楽しかった筈なのに、フェイトが養子に取られてから環境は少しずつ変化してしまった。
アリサは家の後継ぎとして勉強する為に一緒に遊ぶ事はなくなったし、すずかは有名な学校へ進学して、故郷を離れた。そして自分は、家が多額の借金を抱え、奴隷として売られた。

その事に対して、特に誰かを恨んだ事はない。自分一人が売られる事で、両親や兄、姉が幸せに暮らしていける。自分は役に立ったのだ。そう思えば、感謝すべきなのかもしれない。役に立つ機会を与えてくれた人達に。


「なのは…?」


不意に名前を呼ばれ、振り向くとそこにはフェイトが立っていた。フェイトと自分の部屋は隣同士だ。壁は決して薄くないが、もしかしたら起こしてしまったのかもしれない。だって、まだフェイトが起きるには早い時間なのだから。


「おはようございます。あの、もしかして…起しちゃいましたか?」
「ん?…ううん。今日はちょっと早く起きただけ。水、貰える?」
「はい」


グラスを用意して水を注ぐとフェイトへ手渡す。それを受け取ったフェイトはそれを飲み干した。
空になったグラスを机の上へ置くと、フェイトに急に抱き締められる。驚いて咄嗟に身を引こうとすると、腰に回された手に止められた。そのまま抱き上げられたかと思うと、キッチンを出て行く。


「御主人様…っ、朝ご飯」
「いらない。それより抱かれてよ、ねぇ…なのは、命令」


命令、という言葉に反応してフェイトの首に腕を回す。
自分は奴隷だから、主人に逆らう事は出来ない。健康を考えれば、ここは意地でも食事にすべきなのだろうが、その言葉はぐっと飲み込む。
そんな事を考えているうちに、フェイトは部屋のドアを開け、寝室へ直行すると少々乱暴にベッドへ下ろす。起きたばかりだからだろうか、ベッドに僅かに温もりが残っていた。
そして、フェイトが上から覆い被さる。視界に広がる金色の髪に、心臓が高鳴っている自分がいた。


「なのは……」


名前を呼ばれるとすぐに唇が重なる。何度か啄まれるようにキスされてから、舌が唇へ押し付けられた。それを受け入れる為に口をほんの少し開くと、フェイトの舌が侵入して来る。
フェイトの首にそっと手を回すと、目を閉じてそれを受け入れた。

 


* * *

 


はっきりと覚醒していない頭で辺りを見渡すと、そこはフェイトのベッドだった。また知らないうちに意識を失っていたらしい。何も身につけていないまま、シーツだけがかけられていた。
こういう部分は意外だと思う。普通ならば、主人のベッドに奴隷が寝るなんてありえないと思うのだが、フェイトは意識を失ってから起きるまでの間はこうしてベッドを貸してくれる。だが、いつまでも好意に甘えている訳にもいかず、床に散らばった下着と服を着ると寝室を出ようとする。
だが、ドアノブに手を伸ばしたところで気付く。フェイトとは別に、女性の声がする。どうやら会話をしているようで、邪魔をしてはいけないと手を引っ込めた。
寝室と隣の部屋の壁は薄く、二人の会話が嫌でも聞こえてしまった。


「そういえばフェイトちゃん。前に奴隷を買ったそうやないか。珍しいなぁ、フェイトちゃんが奴隷を買うなんて。非道徳的なの、苦手やろ?」
「確かに苦手だけど…。私だって奴隷を買う事くらい、あるよ」
「いーや、フェイトちゃんは何か理由がない限りそんな事せぇへん。ほら、はやてさんに話してみなさい」
「……あの、内緒にしておいてね」
「内容によるわ」


二人の会話は、確実に自分の事についての会話だ。
これ以上主人の話を盗み聞きするのは良くない。そう思うのだが、聞いてみたいという興味が身体を止めている。結局、ドアの前から動かずに、二人の会話に耳を傾ける事にする。


「私、ハラオウン家に養子に取られる前に住んでいた故郷で、幼馴染が三人いてね。その中に凄く可愛い子がいて、一番仲の良い子だった。今までは会いに行く事が出来なかったんだけど。母さんの許可を貰えるようになってから一度だけ、会いに行ったんだ。そしたら、多額の借金を抱えたせいで奴隷として売ったって、両親から聞いて」
「なるほどなー。ここ数年、暇さえあれば奴隷市場を見に行ってたのはその為なんやね」
「うん。ずっと、捜し続けて…やっと見つけた。一目見て、すぐに彼女だってわかったよ」


フェイトの言葉に、思わず動揺する。初めて抱かれたあの日、フェイトは確かに会った記憶はないと言ったのに。今、ここで話しているフェイトは自分の事を覚えていると言う。
覚えているのならば、どうして嘘を吐いたのだろう。その疑問が、自分の頭を更に混乱させる。

その時だった。ポケットに入れておいた懐中時計が床に落ちた。最近、時間を気にするようになってから事ある度に懐中時計を持っていたので、その癖で無意識のうちに持っていて、落としたのだろう。大きな音が寝室に響く。
それは隣の二人にも聞こえたようで、会話がピタリ、と止まった。


「なのは…起きたのかな?」
「何や、寝とったん?溺愛しとるとは聞いとったけど、ここまでとはなぁ。まさか一緒のベッドで寝かせるなんて」
「違うよっ!朝から色々あったから今日はこっちで寝てるだけで!」
「はいはい。ほんなら、私はそろそろ家に戻るわ。今度来る時にはちゃんと紹介してな」
「うん…それじゃ」


パタン、と扉の閉まる音がする。きっと、フェイトはこちらへ来る気だ。もしもここで盗み聞きしていた事が知られたら、フェイトは自分の事をどう思うのだろうか。
頭の中を悪い想像ばかりが駆け巡り、いつの間にかフェイトが入らないように寝室のドアを必死で押さえていた。


「なのは、何かあった?」
「ぁ……あ…」


いつもより少しだけ心配そうなフェイトの声に、不安と安心が入り混じったような感覚に陥り、思わず涙が流れる。それを拭う事もせず、ドアノブを握っている手に更に力を込めると、フェイトの声色が普段より低くなった。


「…ここを開けて、なのは」


声色が低くなる時、自分はフェイトに対して絶対に逆らう事が出来ない。そう躾されている事もあるが、それ以上にその声には有無を言わさないような響きがあるような気がするのだ。
諦めてドアノブから手を離すと、寝室の扉はあっさり開き、フェイトは寝室に入って来た。


「なのは…?」
「う……っく、あ……ぅ…」


フェイトに対してとにかく謝らねばと思うのだが、パニックになってしまったようで泣きじゃくる以外に何も出来ない。そんな自分を見ていたフェイトは暫くして、こちらに近付くと優しく抱き締めてくれた。
凄く、安心する。


「落ち着いて。ほら、大丈夫だから」
「ふぇ…っ」


とにかく何かに縋りたくて、フェイトの服を濡らすのも気にせずに顔を押し付ける。
いつもならば怒られそうなものだが、フェイトは何も言わずに頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

後書き
……とりあえずここで区切ります。
次回の更新はわかりませんが、多分先になのは会長になるかと思います。
あの、えろ的な物を求めてた方は申し訳ありません。次はありますから!!

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なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
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