お久しぶりです。
先日のリリマジ、参加された方どうもお疲れ様でした。個人的にはご飯も出来たし、色々と楽しかったです!
学校生活をしつつ、資格の勉強もしつつ、買ったり頂いたりした宝物を読んでます。萌え補給中です…。
とりあえず、原稿もレポートも終わったので、今週は結構平和です。来週からは本当に鬼なんで更新率が悪くなるのが目に見えてますが。泣きたいよ、ひぃひぃ。
先に更新しますが、コメントの返信は学校から帰ったらしますね。
さて、久々に連載更新です。今回ちょっと迷いましたがフェイトVSシグナム回になりました。
フェイトさんがちょっと直線的過ぎる気もしたけれど、とりあえず一生懸命頑張る姿が書きたかったので個人的には満足です!!でも何だか最近なのはさん腹に刺さったりし過ぎな気がwww
けけけ決してなのはさんをいじめたい訳ではないですよ!
では続きから。
死神界は、常に静かだ。
今、この世界にどのくらいの死神がいるのかはわからないが、一人で立つと、この世界に自分だけしか存在しないような感覚になる。
それ故に二人の間に流れる緊張感がそのまま伝わり、汗が一滴落ちた。
シグナムとは何度も試合をしているが、デバイスのみでのぶつかり合いではシグナムの方が段違いに上だ。今まで勝った記憶というのは一度もない。
それは、持っている力の差の問題ではなく、必要最低限にしか武器を持たなかった自分と、死ぬまでずっと騎士として剣を振って来たシグナムの経験の違いなのかもしれない。
「では、行くぞ」
「…はい」
愛剣、レヴァンテインを構えるシグナムに返事をしてバルディッシュを構えると、ほぼ同じタイミングで身体が宙へと浮いた。そして、武器同士がぶつかり合う。
衝撃で一度離れるものの、休まずに再びシグナムへ向かって行く。金属と金属がぶつかり合う音が響いた。
「…ファイアッ!!」
大きく距離を取ると、黄色の魔力弾を作り、シグナム目がけて撃つ。だが、シグナムはそれを軽々とかわし、距離を詰める。
しまった、と思った時には既に遅かった。シグナムの剣が振り下ろされた。
それを寸前で受け止めるものの、バランスを崩してしまい、隙が出来る。シグナムはその隙を見逃す程甘くはない。
すぐに追撃され、地面に叩き付けられた。
「う…っ!」
「どうした。お前の覚悟とは、こんなものか」
シグナムの言葉に、先程シグナムの直撃を恐れ、距離を取って撃った魔力弾の事も含まれているような気がした。強い相手に立ち向かって行けない程の覚悟なのか――と。
そう思われたままではいけないと、バルディッシュを支えにして立ち上がる。再びバルディッシュを構えると、シグナムへ向かって行った。
勢い良く振り下ろすと、シグナムはそれを受け止める。その瞳には、迷いが一つもない。
シグナムの剣の向きが変わったかと思えば、戦斧はあっさりと払われてしまう。
だが、それでも諦めずに向かって行った。
「はぁぁぁぁぁっ!!」
全力の速さで向かうが、シグナムは顔色一つ変えずに弾き返した。元から重くない自分の攻撃は簡単に弾かれてしまう。
それでもすぐに体勢を立て直すと、再びシグナムへ向かって行く。
シグナムが覚悟を見せろ、と言ったのは、この勝負に勝つ事ではないのはわかっている。自分の攻撃に覚悟を乗せて示せ、という事だ。それがシグナムに届き、尚且つ認められるならば自分の勝ちとなる。
シグナムらしいやり方に思わず笑みを浮かべると、シグナムは一瞬目を見開いてから口端を上げた。
「まだ笑える程余裕があるのか」
「いいえ。余裕なんて…ありませんよ。何せ、シグナムが相手ですからね」
そう言いながらも、バルディッシュを握り直すと再度構えて立ち向かう。
それを繰り返しているうちに、何度目かわからない攻撃がシグナムによって弾かれた。
戦いを始めてから、どれ位の時間が経ったのかわからない。もしかしたら、数時間経ったように思っているだけで、実際にはそんなに経っていないのかもしれない。
地面に叩き付けられた痛みを感じながらもそんな事を考える。これだけ挑んでも視線の先にいるシグナムは傷一つない。
その事に対して不甲斐ないな、と思いながら立ち上がって、バリアジャケットをソニックフォームへ、バルディッシュをザンバーへと変化させて構えた。するとシグナムの表情がほんの少し変化する。
「良いのか?防御を捨てても」
「はい。きっとこれが、最後の攻撃になると思いますから」
最後なのはもう決まっていた。
シグナムにこの一撃が届こうが届かまいが、次の攻撃が出来る程の魔力が自分には残っていない。
「最後か…。ならば私も全力で行こう。来い」
「…行きます、シグナムっ!!」
声と共にシグナムへと向かって行く。
そして――二人の身体が一瞬交差し、再び地に足を付ける。
もう、限界だった。バルディッシュが手から滑り落ち、その場へ崩れ落ちる。その身体をシグナムの腕が支えてくれた。
「シグナム…?」
名前を呼ぶと、身体を支えている手とは逆の手で持っている愛剣に亀裂が入り、折れた。
剣は騎士の心を表すものでもある。剣が折れたという事は、シグナムの意志に自分の意志が勝ったという事だった。
「…見事だったよ、お前は」
「じゃあ」
「あぁ、私はもう…何も言わないさ。とにかく、少し休め。このままでは人間界に行く事すら出来ん」
シグナムの言葉にゆっくりと頷くと、そっと瞳を閉じた。
* * *
真っ暗な闇、その中で佇んでいると急に人が現れる。良く見知ったその人物に目を見開いてから、口を開く。
「…なのは」
なのはは応えるように笑う。
懐かしい、そう思った。だが次の瞬間、なのはから紡がれた言葉に再び目を見開いてしまった。
「覚悟を決めないといけないよ」
「…え?」
目の前に経つなのはは真剣な表情のまま、こちらを見つめる。気付けば、自分の手には果物ナイフが握られていた。
「人間に戻るという事は、再び罪を犯すという事。人間に戻れば、フェイトちゃんは私を殺すかもしれない。
今度は、前みたいに正気のない状態じゃないかもしれない。私の肉に、ナイフが刺さる感覚を味わうかもしれない。
そんな未来が待っていたとしても、フェイトちゃんは人間に戻る。そういう覚悟を持たなくちゃならないよ」
「そうだね…そうだ。きっと、死神になったばかりの自分なら、そんな覚悟出来なかったと思う」
なのはに向かって頷くと、迷う事なく手に持った果物ナイフをなのはへと突き刺した。
夢の中だからだろうか、刺した感覚はない。だが、目の前で苦しそうに歪むなのはの表情が、しっかり刺さった事を物語っていた。
「でも、この百年で気付いたんだ。どんな結末であろうが、死ぬまでの間一緒にいられた事は幸せだって。それは、人生の中でたった一度の不幸よりも、ずっと大きな物だって。
ほんの少しでもなのはと一緒に幸せだと思える時間があるのなら、私は人間に戻りたい。例え、二度も命を奪う事になっても。…きっと、なのはならそう思ってると予想したんだけど、違ったかな?」
自分の問いに、なのはは首を振る。そして、背中へと腕が回された。
「にゃはは、正解。これでまだ私を殺したくない、とか自分といたら不幸にするって思ってたなら、私の幸せを勝手に決めるなーって怒るとこだったけど。でも良かった。フェイトちゃんも同じ事考えてくれて」
「だって、なのはの幸せも、私の幸せだから。なのはが考えてる事、間違えたりしないよ。だから、安心して…」
ナイフを下に落とし、背中へ手を回してうなじへそっと口付ける。すると、少しだけ頬を染めながらも笑って、なのはの身体が消えた。
すると再び真っ暗な闇へと戻る。
その場へ立ち尽くしていると、今度は声が聞こえる。遠いような、近いような声。
自分はこの声を知っている筈なのに、誰のものなのか思い出す事は出来なかった。
「…お前は、忘れてしまっているのだな」
「忘れている?何を?」
疑問が浮かぶのだが、先程から聞こえる声はそれに対しては答えない。
「思い出すべきなのだ。私と、お前が交わした契約を」
「契約…?私は、誰かと契約した記憶なんて、ない」
自分が契約を交わしたのは、高町なのはだけだ。他にはいない。
「夜天の主に会う事があるのならば、私の名前を呼ぶと良い。きっと、まだ応えられる。私の名は…リインフォース」
「リイン…フォース……」
「そうだ。早く…私が、残っていられるうちに」
突然、声の気配が消えて行く。慌てて追いかけようとするのだが、声がどこから発せられたものかわからず、闇雲に捜す事しか出来ない。
やがて気配は消えてしまい、そして光が闇を全て包み込んだ。
* * *
目を覚ますとそこは自分の家で、あれ程あった傷もすっかり消えていた。おそらくシグナムが治療を頼んでくれたのだろう。
ベッドから抜け出して、出発する準備をしていると、シグナムが入って来た。
「もう、良いのか」
「はい。大丈夫です」
最後にマントを羽織ると、右手にバルディッシュを握り締めて歩き出す。その時、シグナムが声をかけた。
「お前が、上手く行く事を願っているよ」
「…有難うございます、シグナム」
一言告げてから家を出て、人間界へ向かう為に飛び立った。
15話!!やばいあと5話しかない。
フェイトVSシグナムさんでした。何度も挫けず挑戦するっていうフェイトさんの姿勢はとても好きです。
今回の話によって、フェイトさんがなのはさんの所へ行く体勢が整いました。次からは再びなのはさん視点に戻ります。
では、お粗末様でした!
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
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