宣言通り更新。
さっき言い忘れてたんですが、リンク増えました。
交流が増えるっていいですね。チキンだからあまり自分から行けませんが…。
さすがにこの会長ネタも、もう終わりになりますからね!!
前回フェイなのじゃないの?って指摘されたのでリベンジ!!でもあまり変わってません。
興味のある方は続きからどうぞ。
土曜日。午前中から家を出て、市営の弓道場へ向かう。
転校してからというもの、休日にこうして弓道場へ向かうのは習慣となっている。目的はそう、なのはの姿を見る為だ。
弓道場へ着くと、静かに中へ入る。本当はすぐにでも声をかけたいところだが、集中しているなのはの邪魔をする訳にはいかない。
案の定、なのはは集中していて、こちらが中に入って来た事にすら気付いていない。適当な席に着いてその姿をじっと見る。
なのはの引いた弓が的を射ると、なのはがこちらを振り向いて微笑んだ。
「来てたんだ、フェイトちゃん」
「うん。ついさっき」
「じゃ、休憩しようかなー」
こちらに来ると、なのはは隣に座る。バッグの中から持って来ていたらしいスポーツドリンクのペットボトルを出すと、蓋を開けて飲み始めた。
こうして、休憩時間に一緒に話をして、なのはの練習中の姿を見る。それだけで幸せで、自然と笑みが零れた。
「あれ?フェイトちゃん、今日は何も飲まないの?」
いつもならば、なのはになのはに合わせて飲んでいる自分なのに、今日は何も飲んでいない。それに気付いたなのはが声をかける。
「あ…うん。買って飲む程飲みたい訳じゃないし」
「そっか…。そうだ、なら私の飲んでも良いよ?はい」
そう言って、手に持っていたペットボトルを差し出すなのはの姿を見て、思考を巡らせる。
なのはが飲んでいた物を自分が貰う。つまりそれは、、所謂関節キスというもので。
「な、ななななのは…!?」
「うん?ほら、今なら冷たいし、どうぞ?」
「い、いいよ…。なのはのなんだから、なのはが飲んで」
必死になって首を横に振って断る。すると、こちらを見ていたなのはの表情が悲しそうなものへ変化した。
どうしたら良いのだろう。この表情には弱い。
「私が飲んだやつだもんね。やっぱり飲めない、かな…」
「そ、そんな事は…あの、その……」
否定した自分を、なのはがじっと見ている。今ここで断ってなのはを悲しい気持ちにさせる事と、受け入れて自分が恥ずかしい気持ちになる事。
もうどちらを選べば良いのかは明白だった。
「……の、飲みます」
「そっか。じゃあ、はい」
再び笑顔が戻ったなのはが差し出したペットボトルを受け取ると、蓋を開けて遠慮がちに一口飲んだ。冷たいスポーツドリンクが喉を通るのを感じながらも心の中で溜息を吐く。
告白されて、恋人になって、毎日のように会って。確かに幸せなのだけれど。この可愛らしくて少しだけ悩んでいる。
「…って事なんだけど」
ちなみに今はお昼休みで、はやてと一緒に昼食を取っている。そこでふと、相談してみようと考えたんのだ。
自分の弁当箱から煮物を一つ取って摘むはやては、自分の相談を聞くと、すぐに口を開く。
「何を悩む必要があるん?毎日、アリサ先輩に怒られるくらいイチャイチャしとって、幸せやん」
「そ、そうなんだけど…その、何故かいつもなのはのペースにされちゃってるような感じで、どうも釈然としないっていうか」
「ふーん…。フェイトちゃん的には、なのはちゃんを攻めたいん?」
はやての言葉に、一気に顔が熱くなる。それと同時に、食べていた弁当の卵焼きを喉に詰まらせて苦しそうに胸を叩く。
見かねたはやては急いで水を渡してくれた。それを受け取ると、一気に飲み干す。
「大丈夫か?フェイトちゃん」
「はぁ…何を言うの、はやては!?」
「だって、そういう事やないん?なのはちゃん中心のペースで進むのが嫌って。で、実際どうなん?されたいん?したいん?」
はやての言葉に首を捻って唸る。
したいかと言えばしたい。だが決してされたくない訳ではない。どちらも自分の本当の気持ちで、どちらを選ぶとかの問題ではない。
「…よく、わかんない」
「わかんないって…」
「したいって気持ちもあるけど、されたいって気持ちもあるんだ。どっちも本心だから、よくわからない…」
「ふーん…。まぁ、解決するかどうかはわからんけど、それなのはちゃんに言ってみたらどうや?」
「…えっ!?」
「今日からテスト一週間前で部活ないから、放課後は多分生徒会室で勉強しとると思うで」
「それは知ってる…。今日、一緒にやろうって言われてるから」
自分の事に、そか、とはやてが軽く返事をすると、午後の授業の予鈴が鳴る。それを合図に、空になった弁当箱を片付けると、自分の席へと戻る。
顔の熱は、暫く引かなかった。
* * *
時間はあっという間に過ぎ、放課後。
なのはと約束した通り、生徒会室へ行き、来週の試験に向けて勉強している。
会長用の机で国語の教科書を広げて苦い顔をしているなのはを見ると、不意に笑みが零れる。
理数系は学年一位の成績だというのに、文系――特に古典――は苦手らしい。
よく「アリサちゃんもそうだけど、フェイトちゃんも英語と国語の両方が出来るなんてずるい」と言われる。その時の頬を膨らませる表情も、凄く可愛らしいのだ。
「んー…」
そんな事を考えていると、なのはがぐうと伸びをする。その声に反応してなのはを見ると、優しく微笑んでくれた。
「ね、そろそろ一度休憩しない?もう一時間くらい経つし、あまり長くやってても集中出来ないから」
「うん、そうだね」
出していた数学の教科書を閉じると、なのはが椅子から立ち上がり、自分の隣に座った。
沈黙の続く中でふと、昼休みのはやてとの会話を思い出す。
なのはに言ってみろと言うけれど、一体どのタイミングでどう言ったら良いのかがわからない。
そんな事を考えていると、なのはが突然沈黙を破った。
「フェイトちゃん」
「何?なの――んっ」
名前を呼ばれた事応えようと振り返った瞬間、なのはに強引に口付けられる。
いつものように触れるだけで済むのかと思いきや、今日は違っていて、閉じていた唇を無理矢理抉じ開けられ、口腔を犯される。
何かに縋りたくて、目の前にいるなのはの制服を強く掴んだ。
暫くして離れたお互いの唇を銀の糸が繋ぐのを見ると、恥ずかしくなる。それが途切れると、なのはにそっと抱き締められた。
「…ごめんね」
「え……?」
何故なのはに謝られるのかがわからなくて首を傾げていると、なのはが僅かに苦笑する。
「フェイトちゃん、ずっとされたかったでしょ?」
「されたかったって…」
「キス」
唇に指を当てて笑うなのはに、一気に顔が熱くなる。何故、自分がされたいという事になるのだろう。
「フェイトちゃん、よくキスしたいって意思表示してくれてたでしょ。自分から迫って来て。一応フェイトちゃん年下だし、そういう事をするのは私からかなって思ってたんだけど、フェイトちゃんに下手だと思われるのが怖くて、ずっと躊躇ってたの…」
「そう、なんだ…」
「それで今日、アリサちゃんに言ったら怒られちゃった。フェイトちゃんが、そんな事で嫌いになる訳がないって」
そこで漸く、自分の考えについて納得する。
されたい、というのが本心で、したいというのが、キッカケを作りたいという意思だったのだ。
「嫌いになんて、ならないよ。それになのは、全然下手じゃなかった」
笑ってそう言うと、なのはの表情が嬉しそうな物へ変わる。それが可愛らしくて、抱き締めてからそっと顔を近付けると、なのはの手によって止められた。
その顔には笑みが浮かべられている。
「フェイトちゃん。いつも思うけど、ちょっとがっつき過ぎなの」
「ごめんなさい…」
「良い?いつキスするのかを決めるのは、フェイトちゃんじゃなくて…私なんだよ?」
有無を言わせぬなのはの表情に黙って頷く。
すると、なのはは表情を緩め、笑った。
「じゃあフェイトちゃん。キス、しようか」
その言葉に頷くと、再びなのはの唇が触れた。
結局、なのはのペースにされてしまう。つまり、自分はこの生徒会長には敵わないという事なのだ。
後書き
何でこうなったんだろう。まるで犬と調教師www
「フェイトちゃん、ステイ!」
みたいな…。
いや、うちの理想のなのフェイってこういう感じなんですけどね。精神的になのはさんが上手な感じが良い。
攻める気満々なフェイトそんが気付いたら受けになってた感じが良い…!!
リベンジしてみたけどあんま変わらないような気もする…。
とりあえずお粗末様でしたー!!
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
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