てな訳で、連載更新したいところではありますが、今後筆が進みづらい状況になるであろうと予想して、なるべくストックを作ってから更新にしようと考えてます。なので、とりあえず今回は小ネタで勘弁を!!
「Love Slave]の続編です。そういえば登場したのにも関わらずなのはさんとはやてさんが会ってないなぁと思ったのではやてさんとなのはさんが初めて会うお話。
最初のSSを知らなくても多分大丈夫だとは思うんですが、一応リンク貼っておきますので、まだ読んでないという方はどうぞ。
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では続きから小ネタです。興味ある方はどうぞー。
「…フェイトちゃん……?」
「……」
今日一日のうちにこのやり取りを何度したのだろうか。
だが相変わらず返事のないフェイトに溜息を吐く。
事の発端は、今から数時間前だ。
* * *
「なのは。あの…紹介したい人がいるんだけど」
その言葉に、昼食を作る手を休めてフェイトを見る。
その表情は言葉とは裏腹に、心底嫌そうだ。
「フェイトちゃん…嫌そうな顔してる」
「…なのはを会わせたくないなぁって思って。良い人なのは確かなんだけど、その…ね、一癖ある人だから」
会わせる事を躊躇わせるような一癖って一体何なのだろう。
そう思いフェイトに聞いてみようとしたが、心底嫌そうな顔をしながら何度も溜息を吐くフェイトを見ると、何も言えなかった。
会話をしているうちに出来上がった昼食を二人で食べ、食後のティータイムを過ごしていると玄関のチャイムが鳴る。
出ようと思って立ち上がったのだが、フェイトがそれを手で制して立ち上がったので、大人しく座った。
フェイトが部屋を出てから暫くして、ドアが開くと、フェイトともう一人、小柄な女性が入って来た。
見た目からして歳は自分やフェイトとあまり変わらないようだ。
「なのは。紹介したいって言ってた人だよ。私の友達で、八神はやて」
「どもー。なのはちゃんの事はフェイトちゃんから色々と聞いとるよ。初めまして」
「は、初めまして…」
はやてから差し出された右手をそっと握ると、微笑まれる。どうやら、悪い人ではなさそうだ。
いや、フェイトの友人に悪い人がいるとは思っていないけれど。
「とりあえず座って。今カップ余分に持って来るから」
「フェイトちゃん、カップなら私が…」
「いいから。立ってるついでだよ」
立ち上がろうとしたところを手で制されて、またもや仕方なくフェイトに任せる事にする。キッチンにフェイトが向かうと、はやてがこちらを見てニッコリと笑った。
「フェイトちゃんが溺愛しとるから、どんな子かと楽しみにして来たんやけど……これなら溺愛するのもわかるわ。健気で可愛いんやもん」
「そ、そんな…恐縮です」
「敬語とかいらんよ。あと呼ぶ時も名前で呼んでええから」
「えっと、じゃあ……はやて、ちゃん……」
遠慮がちにはやての名前を呼ぶと、はやての動作が止まった。
心配になって立ち上がると、はやての顔をそっと覗き込む。その時だった。急に腕を引かれたかと思えば、抱き締められる。
「ふぇっ!?」
「あー…可愛えなぁ、なのはちゃんは。フェイトちゃんだけのものなんて勿体ないわ」
「な、なななな何を…!?」
抱き締められているという状況を頭が理解してから、必死に離れようとするのだが、はやての力は思ったよりも強く、中々離れる事が出来ない。
このままではフェイトがここに帰って来てしまう。この状態でそれは不味い。非常に不味い。恋人同士になってから知った事だが、フェイトは意外にも嫉妬深いのだ。
こんな姿を見られたら、絶対にロクな事にならないのは分かっている。
「はやてちゃん、離して!このままじゃフェイトちゃんが…」
「んー。そうお願いされたんじゃ仕方ないかなぁ。離すか。でも…」
やっと解放される。そう思って油断したのがいけなかった。フェイトが部屋に戻って来たのと、はやての手が自分の胸に触れたのは、ほぼ同時だった。
フェイトの手からカップが滑り落ち、音を立てて割れた。
「フェ、フェイトちゃん……」
一応名前を呼んでみるのだが、フェイトはそのまま部屋を出て行ってしまった。
そんなフェイトの姿を見て、はやてが静かに溜息を吐く。
「あちゃー…やってもうた。あそこまで拗ねるとは思うとらんかったんよ。ごめんなぁ、なのはちゃん」
「…わかっててやったんだ」
一応謝るものの、態度からして心の底から悪いとは思っていないようだ。そんな態度に思わず溜息を吐く。
ここまで来て漸くフェイトが一癖あると言っていた意味がわかる。おそらくフェイトはこうなる事を薄々感じていたからこそ会わせたくなかったのだろう。
「あ、あはは…堪忍や、なのはちゃん。じゃ、そろそろ私は帰るかな。後でフェイトちゃんに怒られるのも怖いしなぁ」
ほんならなー、と軽く手を振ってはやては家を出て行く。それを見送ってから二階へ上がり、フェイトの自室のドアをノックする。
だが予想通りフェイトの返事は来ない。意を決してそっとドアを開けると、中には誰もおらず、寝室へ向かうドアが僅かに開いている。
フェイトがそこにいる事を確信し向かうと、予想通り、ベッドに顔を埋めて寝ている。
そんなフェイトの傍まで近付くと、そっと名前を呼んだ。
そうして、返事がないまま冒頭へ戻る――。
「フェイトちゃん…。返事がないと、私悲しいよ…」
「……はやては?」
「帰ったよ」
フェイトは、そっか、と呟くと、こちらを振り向く。漸く見る事が出来たその表情は、未だ不機嫌そうだ。
「あ、あの……ごめんね?」
「…どうしてなのはが謝るの」
「そうだよね…でも、ごめん。フェイトちゃんを不機嫌にさせちゃったから…ね、どうしたら機嫌直るかな。フェイトちゃんの機嫌が直るなら何でもするから――」
自分の言葉に、フェイトは反応を示すと、肩をがっちりと掴む。
「…何でも?」
「う、うん…」
フェイトの念を押すような言い方に、嫌な予感がよぎったが、ここまで言っておいて今更否定する訳にも行かずに頷く。
すると、フェイトの表情が笑顔へと変わった。
「じゃあ、身体で沢山慰めてもらおうかなぁ」
「…どうしてフェイトちゃんはいつもそういう考えになるのかなぁ」
「……はやてにあんな簡単に触られて、本当に悲しかったんだよ?」
「ぅ」
言葉が詰まる。こればかりは本当に簡単に触らせてしまったのだから、否定出来ない。
「それに、何でもするって言ったし」
その言葉も否定出来ず、黙り込んでしまう。
だが、スカートを強く握り締めてから覚悟を決めると、フェイトに向かって勢いよく抱きついた。
「なのは?」
「もう、フェイトちゃんの好きにして……」
その言葉に満面の笑みを浮かべると、フェイトは噛み付くようにキスをした。
……寸止めwww
はやてのセクハラは冗談だとわかっていても、なのはさんが絡むと本気に考えちゃって拗ねるフェイトさんって、案外可愛いと思う。
後日、逃げようが逃げまいが…はやてさんは怒られます。
そしてちょっと裏設定としては、フェイトさんとはやてさんは家の繋がりで仲が良くて、はやてさんとすずかさんは学校で仲良くなってて実は友達、みたいな。
お粗末様でしたー。
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
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