お久しぶりですー。
わーいどんだけ休んでるんだ自分。
そんな訳でなのフェイ…ではなくフェイなのパロディ(笑)
これ、続く…のかな……。続けられそうなら続けてみる事にします。
とりあえず、興味ある方はどうぞ。
‐7月20日追記‐
文章ちょこちょこ修正しました。
いつもと変わる事のない日常。
学校へ行って、授業を受けたら家へ帰って、寝て、また起きたら同じ事の繰り返し。そうして毎日が過ぎて行くと思っていた。なのに、今自分の目の前に立つ女性は、そんな日常を容易く壊した。
「こんばんは」
どこからともなくやって来た女性が、何食わぬ顔で挨拶をする。そんな突然の出来事に、目の前の女性を見つめたまま何も言わない。否、何も言えない。
いくらなんでも、音も立てずに急に現れた怪しい女性と仲良く挨拶出来る程、順応性は高くない。
「…挨拶出来ないの?それとも、話せない?」
「…貴女、誰ですか?」
やっとの思いで声を振り絞り、問う。すると、突然話し出した事に驚いたのか、彼女の眼が大きく見開かれた。そして、すぐに笑みへと変わる。
綺麗な顔だ――素直にそう思った。
「そうか、不審に思ってたんだね。私達にとってはこうして入って来る事なんて普通だけど、人間には刺激が強過ぎたかな」
一人で呟きながら自己解決している。かと思いきや、突如こちらへ振り向いて口を開いた。大人だが、子供っぽさが残ったような笑顔だ。まるで好奇心旺盛な子供の様な。
「そういえば、君の質問に答えてなかった。私の名前はフェイト」
「フェイト…。運命…?」
直訳した日本語を添えて、彼女の名前を呼ぶ。すると、彼女は嫌悪を含んだような苦笑を浮かべた。
「そんな綺麗な意味に解釈しないでよ。気持ち悪い。私の言っているフェイトは、死とか、破滅の意味」
綺麗なのに、気持ち悪い。そんな矛盾を不思議に感じた。普通、綺麗な名前なら喜ぶのではないのか。
「私、変…かな?」
こちらの考えを読み取ったようで、今度は彼女からこちらに質問が向けられる。答えなければと思い、彼女に向かって頷きながらも口を開く。
「変、だよ。死とか、破滅とか、そんな意味の名前が良いなんて」
「良いとか悪いとかじゃないけど、そうでなければ変じゃないかな。だって、私は死神だから」
言葉を遮られるように告げられた真実。死神――それならば、死や破滅の意味の名前の方を好むのも、着ている変な服も納得出来る。
だが、一つの疑問が解決すると、新たな質問が浮かぶ。彼女は、何をしに来たのだろうか。
その答えは考え付く限りでは一つしかない。死神なのだから、人が死ぬ時にしか現れないのではないだろうか。そう思うと、急に彼女の存在が恐ろしく感じた。
「な…何しに、来たの…?」
彼女からなるべく距離を取るようにベッドの上で後ずさる。だが、彼女は笑みを浮かべて、下がった分だけこちらに向かって進む。やがて、逃げ場はなくなり、追いつめられてしまった。
何をされるのかわからずに身構えると、彼女の手が頬へと触れる。それに過剰に反応してしまい身体を竦ませると、彼女はくすりと笑った。彼女の手の冷たさが、生きていない事を証明していた。
「…怖いの?」
「だって…っ、死神は…」
「うん。人間を狩る事が仕事。仕事は嫌いじゃないよ。寧ろ楽しい…かな」
頬へ添えられていた手が首筋へ触れる。冷たさの為か、まるで鋭利な刃物を突き付けられているようにさえ感じられた。
どうにかして抵抗しなければと思ったが、目の前の紅い瞳がそれを許していないように感じられて、動けなかった。
「…でも、君はまだ殺さない。ううん、殺せない」
「え……?」
「君は、まだ死ぬには早過ぎるから。死神も、無闇に人を殺している訳じゃない。死期が訪れた人間しか狩る事は出来ないしね。君は、まだ死期ではないから」
彼女の言っている事が嘘とは感じられない。そう思い、少しだけ身体の力を抜くと、彼女は嬉しそうに笑って、更にこちらへ近付いた。
「今日、来たのはね。興味があったから」
「興味?」
「うん。君は、普通の人間よりも強そうだし、何より可愛いし」
可愛い、という言葉に思わず顔が熱くなる。そんな姿を見て彼女は不思議そうに首を傾げながら、首筋へ伸ばしていた手を再び頬へ置いた。
「熱いの?ほら、私の手…冷たいから」
先程まで熱かった頬が冷えていくのが心地良くて目を閉じる。その時気付いてしまった。彼女の手が、僅かに震えている事に。
「どうしたの…?」
「ん?何が…?」
「手、震えてるから」
頬へ触れている手にそっと触れると、今度は彼女の身体が強張る。不思議に思い首を傾げると、恥ずかしそうにこちらを見る。
「……人間に、触れた事ないから。壊しちゃいそうで」
そんな彼女が何だか可愛らしく感じて、思わず笑う。すると、彼女は暫く、少し怒ったような表情を浮かべていたが、やがてつられるように笑い出した。
「っふふ…ははは……。君って、面白いんだね」
「そういう貴女こそ。白い死神なんて、聞いた事ない」
「死神が黒いなんて、人間が勝手に抱いたイメージじゃない。まぁ、確かに死神には黒い装束が多いけど。でも、他と同じなんて…面白くないでしょ?変わってるだけだよ」
そう言って、今度は同時に笑い出す。
その直後、彼女の傍から声が聞こえる。彼女もそれに気付いたようだ。
「バルディッシュ?…あぁ、うん。そうだね、行こう」
彼女は一頻り会話を続けた後、こちらへ向いて残念そうに微笑んだ。
「ごめん。仕事が入ったから…もう行かなきゃ。それじゃ」
「ま…待って!私、まだ――」
「きっと、また会いに来るよ」
引き止めようとしたのだが、既に彼女は消えていた。あまりの速さに、先程の事は全て夢だったのではないかと思えて来る。
「…フェイト」
先程、彼女が教えてくれた名前を呼ぶ。触れた手の感触はまだ残っていた。
――夢じゃ、ない。
後書き
補足しますと、フェイトさんは外見年齢的には二十歳くらい。なのはさんは多分…中高生ではなかろうかと。や、高校生です。
死神死神言ってて不意に思い付いたネタですが、きっとこのままうまくいく筈がないんだ。プロット通りに進まない事が約六割の確率で起こるのが、私のクオリティー。
とにかく、ここまで有難うございました。
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
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