息抜きに授業中書いたら思いの外スラスラと書けた…。あっ、勿論、勉強とか、別件の原稿はやってますよ?ほ、本当に…。少しずつですが。
それで、更新の方ですが、前に書いたやつの続きになります。何だか続きそうなのでカテゴリー増やしてそっちに入れちゃいました。
では、興味ある方は続きからどうぞー。
‐7月19日追記‐
ちょこっと修正しました。
フェイトと名乗った死神と初めて会った夜から、一週間が過ぎようとしていた。あれ以来、フェイトは一度も姿を見せてはいない。
会いに来ると言ったのは、フェイトなのに。そう思うと急に怒りが込み上げて来た。
「(…まだ、名前も教えてないのに)」
心の中で呟きながら、溜息を吐く。携帯を開いて時刻を確認すると、既に午前二時。最近はフェイトが来るのを待っている為に、寝不足の日々が続いていた。これ以上こんな状態が続けば、きっと家族や友達に心配される。
「…もう寝よ」
誰に言うまでもなく呟いて、ベッドへ潜り込もうとしたその時、一瞬にして周囲の空気が変わった。それと同時に、視線の先には綺麗な金色。
「もう、寝ちゃうの?」
「だって、明日も学校だし」
「行かなければ、良いのに」
「そういう訳にはいかないの」
そう告げると、人間って面倒だよね、と言う声が聞こえて来る。
フェイトの事は放っておいて寝てしまおうと思ったが、先程まで考えていた事を思い出し、慌てて飛び起きた。
「あ!あの、フェイトちゃん」
「何?なのは」
「あのね…って、え?」
つい、言葉を止めてフェイトを見る。すると、フェイトは悪戯を成功させた子供のような笑みを浮かべている。
「どうしたの?」
「どうした、って…名前…。私、まだ教えてないのに」
「私は死神だよ?名前なんて教えて貰わなくても知ってるよ。君はなのは。高町なのは…そうでしょう?」
驚いたまま返事の出来ない自分へフェイトは近付くと、手でそっと頬へ触れた。その冷たさに思わず身を竦ませる。
漸く目の前にいるフェイトの姿を目で捉えると、紅い、死神の目が見えた。身動きが、出来なくなる。
「なのは」
名前を呼ばれる。だが、手も、足も、喉も、全てが支配されたように動かない。そんな自分の胸元へフェイトの手が滑っていく。これから何をされるのか、想像がついてしまい、初めて会った時とは別の意味で身体が強張った。すると、彼女の視線が外れ、先程まで全く動かなかった身体が嘘のように動かせるようになる。
「…ごめんね」
「何で、謝るの?」
「魂が、怯えてた。怖かったんだよね?」
黙ったまま頷くと、その原因が自分にあったという自覚から、申し訳なさそうな表情を浮かべたフェイトは胸へ添えた手を離して、ベッドへ腰を下ろした。
暫くの間沈黙が続いたが、それを破るように口を開く。
「フェイト、ちゃん」
「うん?」
「何で…その、名前」
その言葉の意味が理解出来ずにフェイトは呆けていたが、暫くしてから理解したようで、あぁ、と呟きながらもこちらへ笑みを浮かべた。
「死神はね。人間の魂を管理する仕事だから。なのはの名前くらい調べればすぐわかるよ」
「そう、なんだ」
理解した事を告げるように返事をする。すると、フェイトはこちらに向かって手を伸ばした。だが、その手は自分に触れられる直前で止められ、元の場所へ戻されてしまった。
どうしたの?と尋ねると、フェイトは言うのを躊躇っていて何も言わない。そんなフェイトに対して、視線に入った手を握る。ひんやりとした温度が自分の手から伝わって来た。
視線を上にずらしてフェイトの顔を見ると、戸惑っていて。何だか可愛らしく感じられた。
「ね、フェイトちゃん。何か言いたい事があるなら言って?私は、言葉にしないとフェイトちゃんの気持ち、わからないから」
そう告げて笑顔を見せると、フェイトの顔が少し緩む。それと同時に口が開かれる。
「あのね、触りたいな…って思って」
「触りたいって、どこを…」
フェイトは黙ったまま、胸の中心を指で示す。その瞬間、急に顔に熱が集まった。
「む、胸なんて簡単に触って良いものじゃ…」
「ううん。胸じゃないよ。その、奥…」
「奥…?」
「そう、奥にある…なのはの魂。さっきも、触れようと思ったんだけど、なのはを怖がらせちゃったから」
そこで漸く理解する。フェイトが言い辛そうにしていたのは、怖がらせた事を気にしていたからだ。
確かに、何かされると勘違いをして怯えてしまったのは事実なのだから、反省して貰わなければ困るのは事実だが、度が過ぎると今度はこちらが申し訳ない気持ちになって来る。そんな気持ちが後押しして、つい触れさせても良いという気持ちになってしまった。
「そ、それは…フェイトちゃんが何も言わずに触ろうとするからびっくりしただけで…」
「じゃあ、聞いたら良いの?触りたいって言ったら、なのはは触らせてくれる?」
「…ちょ、ちょっとだけ…なら…」
小さな声で返事をすると、嬉しそうな表情で近付いて来た。
魂を触らせると言っても、何をされるのかは全くわからない。思わず身体を強張らせて目をきつく瞑ると、宥めるように冷たい手が頬へ触れた。
「大丈夫だよ。痛い事は、しないから」
フェイトの言葉を信じて身体の力を抜くと、フェイトがパジャマのボタンを外した。そこから覗く胸元へ手が添えられる。その途端、フェイトの手が光に包まれ、身体の中へそれが入って行く。それからすぐに、フェイトの手が、何かに触れる。
「やっぱり…なのはは強い魂を持ってるね。良い魂だ。凄く…美味しそう」
うっとりとフェイトが呟いたかと思えば、手に力が入った。その瞬間、頭の中が真っ白になり、激しい虚脱感が身体を襲う。
「っは!?…ぁ」
「あっ、ご…ごめん。こんな事するつもりじゃなかったんだけど、つい夢中になっちゃって…。身体、何ともない?」
「凄く…だるいの。何、これ?」
フェイトは身体の中に入っていた手を抜くと、もたれ掛かっている自分の髪を優しく梳く。それがくすぐったくて身を捩ろうとしたが、今の状態ではそれすらも出来ない。
「生命には、精気って言って…生命活動の源になる物が存在するんだけど。それは死神にとって、凄い御馳走になる訳で」
「…で、フェイトちゃんは我慢が出来なくて食べちゃったと」
「……はい」
食べた、という表現が正しかったのかどうかはわからないが、そう尋ねると、フェイトは自分とあまり変わりない大きさの身体を小さくして返事をした。
「普通は、死ぬ事が決まっていて、精気の弱まった人間から取るんだよ。だから、死神の仕事は食事も兼ねてるの。でも、元々少ない量だから、全然満腹にならないし、更に言えば、魂自体が強くないから美味しくないし」
「そうなんだ…。その、魂が美味しいとか、そういう事はよくわからないけど。でも、食べてもお腹一杯にならないとか、美味しくない食事しか出ないって状況が辛いって気持ちはわかるかな。私も同じ状況になったら嫌だし」
「でしょ?やっぱり、なのははとても賢いね」
同意するように意見すれば、それを嬉しく感じたのかフェイトが抱き締めて来る。その身体からは想像出来ない程力強くて、どうにかして逃れたかったが、相変わらず身体は動かない。なのだ、唯一動かせる口で苦しいと訴えると、フェイトは腕の力を緩めた。
「ねぇ、なのは」
不意に名前を呼ばれ、気だるい身体を僅かに動かして上を向くと、視線がぶつかった。この瞳に見つめられると何も出来なくなる。
絶対的な、紅の瞳。
「あの、もしよかったらなんだけど…私と契約を、してくれないかな」
「契約…?」
突然のフェイトの言葉に、呆然と彼女を見つめる事しか出来なかった。
後書き。
わーい長くなっちゃったー。
実はこういう、恋をする前というか…何でもない時を書くのが一番好きだったりする。だって恋しちゃってからは書く事って決まってきてしまうから。抱きついたりちゅーしたりえちぃのだったりとか(笑)
そろそろ小説も増えて来たから、そろそろリンクとか増やそうかな。
リンクフリーに甘えたい人が沢山いるんだ。でもチキンだから貼れない…。
初めてのジャンルだから凄く緊張しちゃって…ドキドキ。
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
ちなみにリンクフリー。報告はしなくてもいいですがされると非常に喜びます。
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