たった一日で拍手数がとんでもない事に。
本当に有難うございます。とっても嬉しいです!次の更新はきっと御主人様と奴隷ネタになると思います。
調子に乗ったんで今日も更新。フェイト会ちょ…じゃなくて生徒会長と転校生ネタラスト!!特別編。時間軸的には付き合い始めてちょっと経ったくらいのお話です。
ちなみにえろがあるかと期待した人。残念えろありません。ごめんなさい!!
そんな訳で興味ある方は続きからどうぞ。
それは、クラスメートの何気ない会話だった。
『ねぇ、新しい写真見た?』
『見た!会長のでしょ?あのアングルは中々撮れないよ』
『相当な値打ちになるんだろうね。買われる前に見に行ってみようよ』
『それじゃ、写真部の部室に集合ね!』
ファンクラブがあるくらいだから、そういう取引が行われていてもおかしくないと思う。その事実を知った時、素直に欲しいと思ってしまった。
だが、明らかに違法行為であって、いけない事なのだという意識もある。
「(でも……やっぱり欲しい)」
デートに行って一緒に撮ったりする事はあるのだが、フェイトが一人で写っている写真はない。理由を聞かれたらどう答えれば良いのかわからないので言い出せないという理由もある。
別になくても構わないのだが、それでも内緒で写真を持つという事――フェイトも知らない自分だけの秘密という響きに、つい負けてしまった。
自分が払えるだけの金額を使って、一枚だけ買ってしまった。自分が来た時に、部屋の中が妙にざわめいていたのはきっと気のせいだろう。
* * *
「なのは、今日はご機嫌だね。何かあった?」
もはや生徒会役員同様に入れる生徒会室で、フェイトは訊ねる。ちなみに、本当の生徒会役員であるすずかとアリサは仕事で別の教室に行っている。
「そ、そうかな?」
「うん。嬉しそうにしてる。そんなに良い事があったんだ…」
フェイトは持っていたペンを机の上に置くと手招きする。それが何を意味しているのか理解すると、フェイトの元へ行き、膝の上へ座った。
フェイトへ負担をかけるのが嫌で、初めは嫌がっていたのだが、今ではすっかり定位置となっている。座ろうとしないと強引に座らせようとするフェイトの態度に、いつの間にか諦めていたという方が正しいのだが。
「……私と一緒にいるよりも良い事、かな?」
「そんな事ないよっ!」
拗ねたようなフェイトの口調に、苦笑しながらも否定する。どんな事だろうと、フェイトといる以上に幸せな事なんてないと思ってる事くらい、フェイトはわかってる筈なのに。
「どんな事なのか教えて欲しいなぁ」
「ダメー。これはなのはだけの秘密なの」
というか、知られちゃったら恥ずかしいだけだけど。
そう心の中で呟きながらも頑なに拒否する。そんな態度が気に入らなかったのか、フェイトは腰に巻き付けていた手を離して、突然脇腹を擽った。
「あっ!?フェイトちゃ、や、止め…っ、あはははは!」
「止めないー。だってなのはが意地悪だから」
「意地悪なのは…っ、フェイトちゃんでしょ!あははっ」
あまりの擽ったさにフェイトの上で身を捩って暴れる。その時だった。制服のポケットに入っていたパスケースが床に落ちた。二人の視線はそちらに向き、そして固まる。
「あ…」
フェイトが驚いた表情を浮かべた。それもその筈。パスケースに入っていたのは、写真部で買ったフェイトの写真なのだから。
「なのは、これ…」
「写真部で売ってるって聞いたから、その、欲しくなってつい買っちゃったの……ごめんなさい」
謝罪の後、生徒会室に沈黙が流れる。
これ以上フェイトといるのが気まずくなり、立ち上がってその場を去ろうとする。だが、フェイトの腕がそれを止めた。
「どうして謝るの?私は怒ってるなんて言ってないよ」
「だ、だって……」
「なのはがそういう事するんだって驚いただけ。怒ってなんて…寧ろ大事にしてくれてるみたいで嬉しかったかな」
そう言って笑うフェイトが前髪をそっと掻き分けて、額に口付ける。
「でも、写真くらい言えばいつでも撮らせるのに…」
「だ、だって…大事に持ってるの知られちゃうのが恥ずかしくて…」
「……うん。そういう気持ちはわかるかなぁ。私もそうだし」
フェイトの言葉の意味がわからずに首を傾げる。するとフェイトは、傍にあった鞄からアルバムを取り出してこちらへ差し出した。
受け取って中を捲ると、そこにはフェイトに撮らせた記憶のない写真が何枚も入っていた。
「こ、こんな写真フェイトちゃんいつ撮ったの!?」
「撮ったの私じゃないよ。これ、写真部で売ってる『高町なのはアルバムAセット』」
「何で売ってるの!?というより何でフェイトちゃんが持ってるの!」
「買ったからでしょ。ちなみにCセットまで全部あるよ」
先程の羞恥心はいつの間にか消えていて、代わりに別の羞恥心が表れ、顔に熱が集まる。そんな自分の姿を見て、フェイトはクスリと笑った。
「でも、これを買ったのは私だけじゃないよ……。他の生徒もなのはの写真を買ってた」
「そ、んな…」
「嘘じゃないよ。ね、なのは…私、いつも言ってるよね。自覚を持てって」
そうは言われても、フェイトのファンが多過ぎて、自分のファンが誰なのかわからないのだ。
少し困ったような顔で浮かべると、フェイトは怒ったような表情でこちらを見た。
「…わからないって顔してる」
「だ、だって本当にわからないんだもん…。心配してくれてるフェイトちゃんには悪いとは思ってるけど」
そんな自分の言葉にフェイトは大きく溜息を吐くと、再び膝の上へ座らせた。だが、先程とは違い、お互いが向かい合った形だ。
「まぁ、良いか。なのはに自覚がないなら私がなのはを守れば良いだけだもんね。こうやって…」
「ん…っ!」
フェイトの言葉の直後に、突然口付けられる。
唇が離れてから、悪戯を成功させた子供のような顔でフェイトが笑った。
「こうやってキスして色々な人に見せつければ…ね」
「…っ、フェイトちゃん」
顔に熱が集まるのを自覚しながらも、フェイトへ抱き付いて、背中へ回した手で制服を強く握った。
フェイトの手がそれに応えるように背中を撫でる。
「もう一度…して…」
「…うん」
強く握っていた手を離してフェイトの顔を見つめると、フェイトの手が頬へ伸びる。そして、フェイトの顔がこちらへ近付いた、その時。
「なのはちゃーん、フェイトちゃーん。チョコレート食べんかー?」
ドアが開く大きな音と共に聞こえた声は、担任であるはやてのもの。声の聞こえる方向へ顔を向けると、はやての他にも別の教室にいた筈のアリサとすずかも立っていた。
アリサはこちらの様子に気付くと、大股でこちらに近付き、怒ったような表情で引き剥がした。
「学校内でイチャイチャしないの!!会長、あまりそういう事するなって昨日も言ったばかりじゃないですか!」
「いやぁ、なのはが可愛くてつい。それにさっきはなのはが誘ったんだよ?キスして欲し「わー!わー!!」
恥ずかしい事を言うフェイトの口を塞ぎ、大声で騒ぐとアリサにうるさい、と頭を叩かれた。
そんな様子を面白そうに見ていたはやてはアリサに向かって口を開いた。
「そういうアリサちゃんも人の事言えんやろ。見たで、さっき教室ですずかちゃんと「わー!わー!!」
先程の自分と同じように言葉を遮るアリサの姿に、顔を見合わせてから笑った。
その後、フェイトとアリサがはやてにひたすらからかわれていたのは言うまでもない。
――生徒会室は、今日も平和です。
後書き
完結ですー!!会長に内緒で写真を買ったら、会長の方がもっと買ってたって話。まぁぶっちゃけ会長がどれだけなのはさん大好きかというのが伝えられたらよかったんです!!
ちなみに一ヶ月後に『高町なのはアルバムDセット』発売しますよ。なのはさんは転校早々人気者です。
一番人気なフェイトさんとお付き合いしてるんだから苛められたりするんじゃないかって思ったんですが、友達にアリサ。恋人にフェイト。恋人の友達にすずか。という関係で苛めようと思ったら確実に返り討ちですよね。私なら逆らったりしないぜ(笑)
ぶっちゃけこのフェイト会長シリーズ、書いててすっごく楽しかったです。それではお粗末様でしたー!!
なのはさんとフェイトさんが幸せならそれでいいです。
パラレルが多いような気がします。
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